海外のFX会社の口座開設を考えている、もしくは現在トレードを始めている方の中には、いろんな疑問点を抱えている方も多いのではないでしょうか。
・海外FXでは税金がかかるの?
・海外FXと国内FXでは税金の計算方法の違いはあるの?
・海外FXに税金の抜け道はあるの?
結論!!海外FXでは利益分に対する税金が発生し、国内FXとは違う計算方法で納税額を求める必要があります。
正しく納税をしない場合、重加算税が発生したり、最悪の場合資産の差押えや逮捕に至るケースもあり得ます。
この記事では、海外FXの税金の計算方法、節税の方法、具体的な納税手順などを詳しくまとめています。
これから海外FXの利用を考えている方、すでにトレードをされて利益が出ている方は、是非この記事を参考にしてみてください。
海外FXでも税金が発生する
海外FXを使った場合でも、日本で税金は発生します。
海外FXの収益は雑所得で、総合課税の方法で計算されます。
納税の期限となる3月15日までに税務署に確定申告書を提出し、納税を済ませる必要があります。
税金は正しく納めないと追徴課税や罰金を支払う可能性がありますので注意するようにしましょう。
海外FXで税金が発生するタイミング
海外FX・国内FXどちらも取引で利益が発生した場合、税金(所得税)がかかります。
税金がかかるタイミングは、年末12月31日です。年末の時点で確定している利益に対して発生します。
含み益があっても確定していない場合や、年間の収支がマイナスであれば税金がかかることはありません。
また、利益が出たとしても必ずしも税金がかかるわけではありません。
給与所得者は20万円・非給与所得者は48万円から支払いが発生します。
海外FXと国内FXの税金の違い
海外FXと国内FXでは税金に対する扱いが異なりますので注意が必要です。ではどのような違いがあるのか表にまとめました。
課税方法:海外FXは総合課税、国内FXは申告分離課税
海外FX | 国内FX | |
所得区分 | 雑所得 | 雑所得 |
課税方法 | 総合課税 | 申告分離課税 |
税率※ | 15~45% | 一律20.315% |
雑所得以外の所得との相殺 | 不可能 | 可能 |
損失の繰越 | 不可能 | 3年まで可能 |
海外FXの税金の計算方法
海外FXと国内FXの税金の計算方法は大きく異なります。
以下で詳しく解説していますので、ご覧ください。
海外FXの税率
利益(課税される金額) | 税率 | 控除額 |
1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円から39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円以上 | 45% | 4,796,000円 |
国内の税率
利益(課税される金額) | 税率 |
0円~ | 一律20.315% |
では上記で紹介した税率をもとに、実際にかかる海外FXの税金の計算をしてみましょう。
例・給与所得が500万円 FX所得が500万円の場合
海外FX | 国内FX | |
所得税 | 1,000万円×33%-1,536,000円 =1,764,000円 | 1,000万円×15% =1,500,000円 |
住民税 | 1,000万円×10% =1,000,000円 | 1,000万円×5% =500,000円 |
復興特別所得税 | 1,764,000円(所得税)×2.1% =37,044円 | 1,000万円×0.315% =31,500円 |
合計 | 280万1044円 | 203万1500円 |
海外FXで確定申告に必要な条件
海外FXでいくら利益が出た場合、確定申告が必要になるのか?分からない方もいるでしょう。
では、どのような条件を満たすと、確定申告をする必要があるのかを解説します。
次の2つのケースの場合、確定申告を行う必要があります。
会社員やアルバイトは年間所得が20万円を超えた場合
会社員やアルバイト・パートなどで得る収入は「給与所得」です。給与所得者は毎年12月頃に年末調整を行いますが、海外FXで利益を得た場合、自分で確定申告しなければなりません。
給与所得者の場合、給与所得・退職所得以外の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
個人事業主や専業主婦は年間所得が48万円超えた場合
個人事業主や専業主婦の基礎控除(全員が所得から引ける控除額)は48万円なので、48万円以下の所得の場合そもそも所得金額(利益から経費を差し引いた金額)が0円になります。
よって、所得が48万円以下の場合は所得税はかかりません。
海外FXで得た利益を確定申告する手順
海外FXの確定申告の手順は以下の通りです。
必要書類を用意する
海外FXの確定申告で必要な書類は以下の通りです。
- 海外FXの1年間(1月1日~12月31日)の取引明細書
- マイナンバーカード
- FXに使った経費の書類(レシート・領収書など)
- 源泉徴収票
- 生命保険や医療費などの控除証明書
複数の海外FXを利用していいる場合は、各社の取引明細書を用意しておく必要があります。
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
- 青色申告は不動産所得・事業所得・山林所得がある人が利用可能です。また、より詳細な帳簿等が必要となりますが、控除額が高く税制面で有利です。
- 白色申告は誰でも利用可能で記載内容もシンプルですが、青色申告より控除の種類や金額は少なくなります。
会社員や投資初心者は白色申告を利用するとよいでしょう。
確定申告書を記入する
確定申告書は税務署で入手出来ます。
または、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を利用して作成が一般的です。ここでは国税庁の確定申告作成コーナーでの作成について各項目の入力内容を説明します。
- 国税庁の確定申告作成コーナーにアクセス→「作成開始」をクリック
- 希望する提出方法の選択→「マイナンバーカード方式(2次元バーコードまたはICカードリーダーライター」「ID・パスワード方式」「印刷して提出」の中から希望する方法の選択
- 申告の種類・生年月日の入力→申告は「所得税」を選択 または不動産所得や事業所得があって青色申告する人は「決算書・収支内訳書(所得税)」を選択
- 収入金額・所得金額の入力→会社員の人は「給与所得」 自営業やフリーランスの人は「事業所得」を選択し入力
- 海外FXの利益や経費の入力→海外FXの利益は雑所得に該当するため雑所得の「業務・その他」を選択し、収入金額や必要経費を入力 種目は「その他」を選択し「証拠金取引」と入力
- 所得控除の入力→扶養控除や社会保険料控除など、源泉徴収票の内容に従って入力 基礎控除は所得金額に応じて自動計算されます。完了後納付する所得税額が表示されるので確認
確定申告書を提出する
確定申告は税務署に行かず、e-Tax(電子申請)でオンラインで行うことも可能です。
e-Taxで確定申告する事によって時間の節約、郵送の手間を省く事が出来データを簡単に保存出来るメリットがあります。
確定申告の受付期間は毎年2月16日~3月15日です。
海外FXの確定申告の注意点
海外FXで利益が発生しても、一定の基準を超えていなければ確定申告は免除されます。
しかし、税金がすべて免除ではありません。
1円でも利益が出ている場合は住民税の申告が必要となりますのでご注意ください。
損失が出た場合はどうすればよいのか?
- 海外FXで損失が発生した場合も確定申告は必要?
- 今年度の損失は次年度以降へ繰越し出来るの?
など、疑問に思われる方も多いと思います。
海外FXで発生した損失分に関して確定申告の義務はありません。
義務はありませんが、損失分を申告することによって他の収入と損益を相殺することが出来れば課税所得額が少なくなります。
それによって所得税や住民税といった税金は安くなります。
海外FXの損失は繰越し出来ません。
国内FXの損失は3年間繰り越せるため、翌年の所得から差し引き出来ますが、海外FXの損失は繰越し出来ないため、1年単位で清算する必要があることを覚えておきましょう。
海外FXの税金の節税対策
海外FXで得た利益の節税方法について以下にまとめました。
運用にかかった費用を経費として計上
海外FXでの節税のためには経費を忘れずに計上しましょう。
経費とは、海外FXで取引するために使った費用です。経費をFXの利益から差し引くことによって所得が低くなり税金も安くなります。
例えば以下の費用は経費として認められやすいものです。領収書やレシートの保管をお勧めします。
- FX関連の書籍の購入費
- FXの勉強会などの受講料
- パソコンなどの購入費
このようにFXに関する物品などの費用は、経費計上しても問題ありません。
他の副業や他の海外FXでの損益と相殺
複数の海外FXと取引している場合や他の副業でも収益を得ている場合、それらの損益と相殺出来ます。他の収入と損益を相殺すれば全体の所得額が減ります。所得額を減らせば、所得税や住民税などの節税になります。
海外FXの利益は雑所得です。雑所得に分類される副業は、「仮想通貨取引」「ブログ」「アフィリエイト」「ハンドメイドの物販」などです。
同じ雑所得の間では損益の相殺が可能です。
ただし、国内FX業者の損益は「申告分離課税」に分類されるため、海外FX業者の損益と相殺出来ません。
海外FXの税金や確定申告に関するよくある質問
海外FXの税金についての質問でよくあるものについて紹介します。
1000万円の海外FXの税金はいくらになりますか?
海外FXで1000万円利益が出た場合の税金は「2,801,044円」です。
その内訳は以下の通りです。
- 所得税・1000万円×33%(税率)-1,536,000円(控除額)
- 住民税・1000万円×10%(一律税率)
- 復興特別所得税・1,764,000円(所得税)×2.1%
- 合計・1,764,000円+1,000,000円+37,044円=2,801,044円
税金につきましては、「海外FXの税金の計算方法」を参考にしてください。
海外FXの税金はいくらからかかりますか?
海外FXでは、サラリーマンやパート、アルバイトの給与所得者は「20万円」自営業者や専業主婦は「48万円」から所得税と復興特別所得税がかかります。
この金額以上に海外FXで利益が出た場合は、確定申告をして決められた割合に応じて納税する必要があります。
「海外FXで確定申告に必要な条件」にも詳しく書いてありますので参考にしてください。
海外FX 税金の抜道は!!
結論から言いますが、抜道はありません!!
海外FX、国内FXともに利益が出た場合は確定申告をして税金を納めましょう。ただし、どちらの場合も、節税対策などをすれば税額が少なくなります。
「海外FXの税金の節税対策」こちらの記事に詳しく書いてありますので参考にしてください。
海外FXの税金や確定申告【まとめ】
海外FXで利益が出たら必ず確定申告をして税金を納めましょう。
年間所得が一定基準を超えている場合、確定申告をしなければ脱税になります。
国税庁は海外の金融庁とも積極的に情報交換をしているので、ほぼ間違いなく脱税をするとばれるでしょう。
海外FXはリスクが大きい一方、より大きな利益を上げられる可能性があります。
その利益をきちんと守るためにも、節税対策もしながら確定申告をしましょう。
当サイトがおすすめする海外FX業者は以下の記事を参考にしてください。
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